SNAPS MOROCCOまでの道程

SNAPS MOROCCOまでの道程

写真集SNAPS MOROCCO制作秘話

というとやや大げさな言い方になりますが、これまでクラウドファンディングの際には当ブログなどで、写真集「SNAPS MOROCCO」の制作過程を逐一綴ってきましたが、あらためてPHOTO YODOBASHIに取材いただき、これまでにない切り口で記事にしていただきました。
リンクを張りました。ぜひご覧ください。

また、これと合わせて、写真家・中西敏貴さんと、お互いの写真集への思いを話しています。
中西さんとは過去PHOTO YODOBASHIでお世話になった戦友と言える間柄です(笑)。全く異なると言っていい作風ですが、中西さんの作品からは感じ物が多く、大変リスペクトする写真家の一人です。
対談形式となっていますので、こちらもぜひご覧ください。

そして、秘話というほどでもないのですが、更に「SNAPS MOROCCO」制作においてのそのこぼれ話を、少し当ブログに綴ります。

写真集SNAPS MOROCCO制作秘話の裏話

#1 造本イメージ

私にとってブックデザイン、造本というのは夢の膨らむ楽しい作業なのです。もちろん、コストをかければかけただけ夢は膨らむものですが、お金をかけずともデザインのアレンジで質の高いものにも仕上がります。何より写真に合った造本設計が大事です。
私自身、アートディレクターでありグラフィックデザイナーであることから、日々、紙を媒体とする印刷物には興味を持ち、本や雑誌、パンフレットからカタログなどなど、目に止まり興味のあるものは購入したり常に沢山の書物をストックしています。ブックデザインの造本や構成、使用する紙や製本の仕様など、製作物に合わせそのストックから幾つもの本を広げて、ブックデザイン、造本のイメージを膨らませます。

写真集SNAPS MOROCCO制作秘話の裏話

#2 デジタルデュープ

今回、1997年のモロッコから2019年まで渡航までを編集していますが、1997年の渡航時のカメラは一眼レフCONTAX 137MDとCONTAX T2で、すべてポジフィルムでした。
今回そのポジフィルムは、FUJIFILM X-Pro3とXF35mm F1.4にNIKON スライドコピーアダプターを使いデジタルデュープしました。
本来なら丁度いいマクロレンズでもあればベストですが、XF35mmでは辛うじてといったところでした。
撮影はRAWで行い、2012年以降のモロッコのデジタル画像とのバランスを揃えています。

写真集SNAPS MOROCCO制作秘話の裏話

#3 写真セレクト

1997年から2019年までの写真作品を構成をイメージしながらセレクトしていきます。写真集の構成をどうするかにもよりますが、今回は渡航年は写真の流れには入れず、都市や地域ごとで構成することとしました。同じ国ではあるものの、訪れる町ごとに表情を持つモロッコ。20年以上に渡り足を運びましたが、いつ訪れてもその土地その土地と同じモロッコに出会えたことが大きいです。
写真点数は数千枚に及びますが、その膨大な写真を段階を重ねながら絞っていきます。写真のセレクトは終りがありません。構成ごとに写真セレクトも変わっていきます。一度落とした写真をまた引き上げたり、この繰り返しで、入稿直前まで続きます。

写真集SNAPS MOROCCO制作秘話の裏話

#4 写真集デザイン:表紙カバー

今回のブックデザインのコンセプトはカジュアルな雑誌をイメージとしています。写真集は見開きでも大きく写真を見せたいので、製本の手法が限られてきます。「SNAPS ITALIA」コデックス製本と特殊な造本としましたが、今回はカジャルなマガジンをイメージし「中とじ製本」としました。

今回の表紙カバーは透明感のある紙に、写真をその内側にモノクロームで印刷し表紙の文字が浮かぶというものです。一見、表紙に印刷されている写真が透けて見えるように感じますが、カバー内側に印刷しているところが今回の肝です。そのロゴも墨文字と、写真に白抜き文字と交差させ、実際本を手に取って、カバーをめくったときに感じてもらえるという特別な仕掛けにしました。

さらに、今回の紙のサイズから、印刷する全紙から2面の表紙が取れるということで、2週類の表紙デザインを作ることとしました。モロッコは一つの国でありながら多くの表情を持ち合わせています。その表情の中からどの表紙がいいかいくつもの写真をセレクトし、組み合わせながら表紙写真を選んでいきました。また、写真は見開きで横位置の写真からセレクトしますが、表紙には折られた右半分のみが表示されます。さらにタイトルロゴデザインとのバランスを見ながら、幾つもの写真を選定し、原寸でプリントしながら最終2点まで絞りました。

写真集SNAPS MOROCCO制作秘話の裏話

#5 写真集デザイン:本文デザイン

今回いくつもの顔を持つモロッコのそのエリアごとに構成しました。そのブロックごとにキャッチとなる写真に扉となるアクセントをロゴでデザインしています。
また文字ブロックもアクセントになるよう紙面に動きをもたせています。

そして今回クラウドファンディングの支援増を受けて観音開きグラビアを設けることができました。グラビアはあえて本文と一緒に綴じず、特別な仕様として織り込む形にしました。これは表紙の紙と同じものを使用しています。表紙の紙を一段厚くし、本の面取りの都合から可能になった仕様です。ブックデザインは紙の取り方や判型によって様々な仕様が生まれます。その点をしっかり理解して進めないと、無駄が出たり印刷コストにも影響します。造本設計で大事な部分です。

一口に写真集デザインと言っても、様々な知恵と経験値が必要です。語りだすと何ページにも及んでしまいますのでこのあたりまでで(笑)。
中々、こういったエピソードを細かく書くことはありませんが、これを機会に写真集「SNAPS MOROCCO」を見返していただければ幸いです。

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