Work at home

Work at home

「高橋俊充デザイン室」開設の1994年当初は、小松の自宅にワークスタジオを作り業務のほとんどがデザインワークだったため、仕事のやりとりは今で言うテレワークだった。
もちろん当時はネット環境も今のようなブロードバンドではなく、ISDNとか化石のような環境だったので、打ち合わせまではテレビ会議などという近未来映画に出てきそうな事にはならず、クライアントへ出向いたりスタジオに来て頂いたりだった。
実は当時それが大事な部分だったりして、実際会って打ち合わせするからこその価値もある。それこそ雑談から生まれる仕事も多々あり、打ち合わせは重要な営業の場でもあったものだ。
その後、金沢にも拠点となるオフィスを設けることとなり自宅スタジオとの作業比率は半分くらいとなり、家にいることも少なくなった。

そして今回、新型コロナの影響から自宅での作業が余儀なくされた。開設当初の原点に還るカタチとなったのだ。WORK AT HOMEである。
しかし開業当初はデザインワークが仕事の9割を占めていたが、今では撮影に関わる仕事がデザインワークを大きく上回っている。そこで影響しだしたのが撮影案件の中止である。人が集まることを出来ない事からほとんどの仕事が中止になったのだ。実際、大きな仕事となればなるほど関わる人も多くなり、大人数で行う業務は当然「密」になるわけでやむおえない。動いていた撮影仕事はほぼ全て無くなった。

「仕事」という言葉は字の如く、「人のために仕える事」を「仕事」と考えれば、この仕事が無くなった今、大変な危機であることはもちろんだが、自分のために使う時間が与えられたことにもなる。そう考えるとやりたいことは無限にある。考えただけでもう忙しくて仕方がない。

WEBサイトのリニューアルは、長年気に掛けていた部分だった。
しかし日常業務に追われ、自身のサイトは後回しというのが、この業界の常でしょう。前回のサイトリニューアルは2012年の事だった。写真を大きく見せたいのでフルスクリーンというデザインにこだわり制作した。あれから8年。それなりWEBの環境も移り変わり、今ではスマートフォンやタブレットでの閲覧が多いことから、レシポンシブの対応が必須である。そして一番重要視するのは写真をどう見せるかである。
とにかくデザインはシンプルで装飾はしない。ただただスマートに写真を見せる事に徹する。このコンセプトを元に今回リニューアルを行った。デザインワークの合間に行ったので大変時間はかかったがイメージ通りに仕上がったと思う。

「STAY HOME展」写真家が自宅で見ているものたち

またこの間、様々なアーティストが作品発表の場を失っている中、写真家ハービー山口さんとArtStickerの企画で、自宅でアートを楽しむ、公募形式の『STAY HOME展』が開催された。
多くのアーティストが賛同出展し、私も今出来ることをと思い参加させて頂いた。会期は終了しているけど閲覧可能です。ぜひご覧ください。
https://artsticker.app/share/events/detail/157

まだまだやりたいことは沢山あるけど、やや出口も見えてきてか少しずつ仕事も動き出してきた。嬉しいと同時にやり残したことが多くて悔やまれる。
もちろん簡単に終息するものでは無いと思う。第二波、第三波もあるかも知れないし、さらに新たな災いも現れるかも知れない。今回はある意味自分の生き方を見直すいい機会だったように思う。
長い人生、いろんな事があるものだ。急がず、ゆっくり生きていこうと言う事だろう。

shot with LEICA SL / Voigtländer Nokton75mm f1.5

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